SMB1ベースのSIMATIC WinCC SCADA・HMIシステムをSMB3サーバーに接続
産業プロセスや製造設備などのOT(Operational Technology:運用技術)環境を監視・制御するSCADA(監視制御・データ収集)やHMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)システムでは、SMB3に対応したWindowsサーバーとの接続が必要になるケースが少なくありません。
SiemensのSIMATICパネルは、さまざまな業界や用途で広く採用されている代表的なHMI製品の一つです。

ITマネージャーやソフトウェアエンジニアにとって、ファイル共有やプリンター共有に利用されるSMBプロトコルを、Siemens製パネルと機械制御サーバー間で利用できるようにすることは、よくある課題の一つです。
しかし、実際に導入してみると、必ずしも簡単に接続できるとは限らず、プラグ&プレイでは対応できないケースもあります。
Siemensもこの課題を認識しており、SIMATIC周辺機器との接続を確立するために必要な環境設定について、60~70ページにも及ぶ詳細な手順書を用意しています。
このように分厚いガイドが用意されていることからも、推奨されている手順に沿って環境を構築し、接続を実現するには相応の時間と工数が必要であることが分かります。
もちろん、別の方法もあります。たとえば、Siemens製パネルを産業用コンピューターに置き換えるという選択肢です。
しかし、Siemens製品は市場をリードする製品として多数の導入実績があり、機器の高い信頼性にも定評があります。そのため、既存のSiemens製パネルを産業用コンピューターに置き換えるには、導入コストだけでなく、既存設備やシステムへの影響も考慮する必要があります。
多くのIT・ICT担当者にとっては、実績と信頼性のあるSiemens製HMIパネルをそのまま使い続け、シンプルなソフトウェアドライバーによってSMB3サーバーとの接続を実現するほうが、現実的な選択肢といえるでしょう。
そのためのソリューションが、Visuality SystemsのYNQライブラリです。YNQを利用することで、既存のSiemens製HMIパネルを大きく変更することなく、SMB3サーバーとの接続に対応させることができます。
Visuality SystemsのYNQは、Windows環境と組み込み系の非Windows環境を含む、さまざまなプラットフォームをハードウェアに依存することなく、SMBプロトコルで相互接続するために開発されたソリューションです。SMBの各バージョン(ダイアレクト)に対応しており、幅広い環境で利用できます。
また、コンパクトな設計(小さなフットプリント)により、組み込みシステムはもちろん、スマートファクトリーやIndustry 4.0といった用途にも適しています。
ここでは、先ほど紹介したSiemens製パネルのSMB3接続に関する課題を、YNQがどのように解決するのか、具体的な事例を見ていきます。

L.B. Bohle(LBB)は、ドイツに本社を置く製薬業界向けの機械・プロセス技術を提供するリーディングカンパニーです。医薬品の固形製剤を製造するための各種機械や製造プロセスの開発・導入を手がけています。
LBBのモットーは、「お客様にご満足いただき、期待を超えるために、あらゆる努力を惜しまない」です。

L.B. Bohleの電気部門では、Michael Reher氏とMartin Meggle氏が中心となり、システムを構成する各機器・コンポーネントを円滑に統合し、お客様の製薬工場に導入される製造設備との確実な接続を実現する役割を担っています。

Martin氏が新たに直面した課題は、Siemens製SIMATIC HMIパネルと、お客様の施設に既設されているSMB3サーバーとの通信を実現することでした。
SiemensのPLCがSMB1にしか対応していなかったため、ひとつの方法として、LBBの顧客側で管理しているサーバーをSMB1に対応させることも考えられました。しかしMartin氏によると、Siemensが提供する詳細な手順書に沿ってサーバー側の設定を変更するには手間がかかるうえ、お客様自身もサーバー側に変更を加えることなく、プラグ&プレイで利用できるソリューションを求めていました。
さらにLBBでは、既存および今後のさまざまなお客様の環境で確実に相互接続できるよう、自社システム側でSMB3に対応することが望ましいと考えていました。
このプロジェクトでソフトウェア統合を担当するMartin Meggle氏は、次のように述べています。
「LBBと同じSiemens製パネルを導入している企業は、数多くあると考えています。」
そこでMartin氏とMichael氏が解決策を調査した結果、LBBの要件に最適なソリューションとしてVisuality SystemsのYNQライブラリにたどり着きました。
Visuality Systemsのエンジニアとのわずか2回のミーティングを経て、LBBは希望する構成を再現したProof of Concept(PoC)を無事に完了しました。
YNQはSiemens製パネル上で安定して動作し、SMB3サーバーとの間で双方向のデータ通信を実現しました。これにより、既存のSiemens製パネルをそのまま活用しながら、SMB3環境との接続が可能となりました。
このソリューションは、Siemens製パネルを産業用コンピューターに置き換えるよりも、既存のソフトウェアやシステム構成を維持したままSMB3対応を実現できる、より現実的な選択肢となりました。
また、Siemens製パネルを別の機器に置き換えると、過去のプロジェクトや既に導入済みのシステムとの互換性を維持するために、LBBにとって大きなコスト負担が発生します。
Martin Meggle氏は次のように述べています。
「YNQのようなドライバーソフトウェアを利用するほうが、SMB1対応パネルとSMB3サーバーの間にIPC(プロセス間通信)を構築するよりも、高い効果が得られ、よりシンプルで、コストも抑えられます。」

Visuality Systemsのエンジニアによる迅速なサポートと確かな技術力は、LBBがVisuality Systemsを信頼できるソフトウェアパートナーとして評価するうえで、大きな決め手となりました。
さらに、Visuality SystemsがSiemensの認定サプライヤーであることも、L.B. BohleがYNQのSMBプロトコルソリューションを採用する際の大きな安心材料となりました。
YNQはドライバーソフトウェアとして、既存のシステムに影響を与えることなく、バックグラウンドで静かに動作します。ユーザーが意識することなく、従来の環境を維持したままSMB3対応を実現できる点も、YNQの大きな特長です。

Raphael Barki, Head of Marketing, Visuality Systems
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