VxWorks向け SMBv3ソリューション

SMBソフトウェアスタックを使うと、VxWorksを搭載した組込みシステムは、Windows、Linux、macOS、iOSデバイスなど、さまざまなネットワークエンドポイントと、リソースやファイルを安全かつ効率的に共有できるようになります。

VxWorksだけでも、FTP（File Transfer Protocol）やSFTP（Secure File Transfer Protocol）などのプロトコルを使用してファイル転送を行うことはできますが、SMBはより堅牢で効率的なリソース共有を実現します。SMBはWindowsとmacOSでネイティブにサポートされているため、VxWorksシステムをヘテロジニアスな環境へ統合するのにSMBを使用することは、他のファイル転送プロトコルを使用するよりも簡単です。

SMBスタック搭載のVxWorksデバイスは、ユーザーに他のソフトウェアのインストールを強いることなく、WindowsおよびmacOSシステムとの通信を実現します。

FTP/SFTPでは、各エンドポイントにクライアントまたはサーバソフトウェアをインストールする必要がありますが、VxWorksデバイス上のYNQクライアントは、ファイルシステムドライバ（プラグアンドプレイ）として、またはVxWorks RTOS上のアプリケーションとして動作します。

さらにSMBには、FTP/SFTPやその他のファイル転送プロトコルを超える機能があります。たとえば、FTP/SFTPではクライアントはサーバー上のファイルを編集するのにローカルにコピーをダウンロードする必要がありますが、SMBでは複数のクライアントがSMBサーバー上の同じファイルに対して読み書きすることが可能です。

これにより、SMBはリソースの観点（クライアントがローカルにファイルを転送したりコピーしたりしなくてよい）および可視性の観点（すべてのクライアントがファイルの変更を即座に確認できる）から、より効率的であると言えます。

SMBはまた、プレログオン認証、エンドツーエンドの暗号化、AES-128-GCMのような最新の暗号化アルゴリズムのサポートなど、データセキュリティを向上させる機能を有しています。さらに、ファイルをクライアントマシンにコピーする必要が生じた場合でも、SMBによってすべてのファイル属性が維持されます。

YNQ™をVxWorksシステムに搭載すると、SMBv3.1.1までのすべてのSMBバージョンをサポートできるようになります。これは、VxWorksの組込みシステムが、SMBによるパフォーマンス向上とセキュリティ上のメリットを享受できることを意味します。

YNQ™を搭載したVxWorksシステムは、Active Directoryにも対応可能になるので、ADネットワークへのインテグレーションを容易に行うことができます。Visuality SystemsのYNQライブラリをVxWorksに搭載することで、SMBクライアントまたはサーバをサポートするあらゆるマシンとの接続が可能になります。