リモートメールスロットがデフォルトで無効化:押さえておくべきポイント

いまだに SMB1 / CIFS や リモートメールスロットプロトコルに依存しているシステムをお使いの場合、今こそアップグレードのタイミングです。これらの旧式プロトコルは深刻なセキュリティリスクを伴い、現代のネットワーク環境では重大な脆弱性となり得ます。脅威からシステムを守り、堅牢かつ信頼性の高いネットワーク基盤を維持するためにも、使用中のアプリケーションおよび取引先が、最新かつ安全な代替手段へ移行していることを今すぐ確認してください。

リモートメールスロットとは何か?

リモートメールスロットは、MS-DOS 時代に導入された古いプロセス間通信(IPC)手法で、初期の Windows バージョンで使用されている通信プロトコルです。
認証や暗号化が行われないため信頼性と安全性に欠けていますが、SMB1 では、簡易メッセージの送信やネットワーク探索のために利用されてきました。しかし、SMB のバージョンが進化するにつれ、この脆弱なプロトコルへの依存は解消されていき、その結果Windows 11 および Windows Server 2025 以降ではデフォルトで無効化され、なりすましや通信傍受といったリスクを軽減する措置が取られています。

リモートメールスロットの詳細や非推奨に至る背景については、 Visuality Systems の以下のビデオチュートリアルをご覧ください。 

変更前の動作について

Microsoft はセキュリティ強化の一環として、Windows 10 から SMB1(CIFS とも呼ばれます)をデフォルトで無効にするという大きな対策を講じました。この対応により、古いプロトコルに関連する既知の脆弱性からシステムを保護できるようになりましたが、一部のユーザー環境では、古いアプリケーションの使用や特殊な設定のために、SMB1 / CIFS が依然として有効になっている場合があります。こうしたユーザーがリモートメールスロットを使うアプリケーションに依存している場合、問題が発生する可能性があります。というのも、そういったアプリケーションの多くは、通信にSMB1 を利用しているからです。

変更後の動作について

Windows 11 および Windows Server 2025 以降では、リモートメールスロットがデフォルトで無効になっているため、SMB1 とリモートメールスロットに依存する古いアプリケーションを使用しようとすると、以下のようなエラーメッセージが表示されます:

remote mailslots disabled - error message

要求された操作は失敗しました。
リモートメールスロットは非推奨となっています

この強制措置により、古くて脆弱な手法が誤って使用されることを防ぎ、より安全な代替策への移行が促進されます。

エラー処理と PowerShell コマンド

リモートメールスロットに関連する問題が発生した場合は、次の対応を検討してください:

  1. ベンダーに問い合わせる:
    現在使用しているソフトウェアが非推奨技術に依存していないか確認し、可能であればアップデートを依頼する
  2. 代替手段を検討する:
    ベンダーが対応版を提供していない場合は、より安全な別のソリューションへの移行を検討する
  3. 一時的な回避策:
    どうしてもレガシー環境との互換性が必要な場合は、PowerShell を使ってリモートメールスロットを一時的に再有効化することが可能

SMB クライアントのアウトバウンド接続に対して、リモートメールスロットを一時的に再有効化するには、以下のコマンドを使用してください:

\> Set-SmbClientConfiguration -EnableMailslots $true

このコマンドを実行すると、意図的な変更であることを確認するためのプロンプトが表示されます。
この設定はあくまで一時的な措置として使用してください。最終的には、より安全な恒久的対策へ移行することが望まれます。

インバウンド接続の場合は、対応するSmbServerConfigurationコマンドを使用することで同様の設定が可能です。

リモートメールスロット – ベストプラクティスと注意点

やるべきこと

  • ベンダーに連絡し、ソフトウェアのアップデートについて相談
    もし対応が難しい場合は、最新のソリューションを提供している他のベンダーへの乗り換えも検討する
  • SMB1やリモートメールスロットに依存しない、安全な SMBのバージョンを導入する
     

やってはいけないこと

  • SMB1 やリモートメールスロットは使用しない
    これらは認証や暗号化が行われておらず、深刻なセキュリティ上の脆弱性があるため、すでに非推奨となっています。

これらのベストプラクティスに従うことで、組織はセキュリティを強化し、ネットワークを潜在的な脅威から守ることができます。

結論

リモートメールスロットの非推奨および Windows 11・Windows Server 2025 での標準無効化により、Microsoft はセキュリティ強化への取り組みをさらに推進しています。
現在もSMB1やリモートメールスロットに依存しているシステムをご利用の場合は、今こそアップグレードを検討すべきタイミングです。アプリケーションやベンダーが、より安全で最新の代替手段を採用しているかを確認し、セキュリティ対策と信頼性の高いネットワーク基盤の維持に努めてください。

ご不明点や、リモートメールスロットおよび SMB1 からの移行についてご相談がある場合は、お気軽にご連絡ください。私たちがサポートいたします。

 

Raphael Barki, Head of Marketing, Visuality Systems

Raphael Barki, Head of Marketing, Visuality Systems

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